急に文豪作品が読みたくなったら

読書はいろんな経験を安価に与えてくれます。一人の科学者が一生を費やした研究成果も一冊の本で知識を得ることができます。
行ったことも見たこともない世界の景色や民俗も旅行本が一瞬にして現地に連れて行ってくれます。以前は古本屋さんめぐりが大好きで、休みの日には安い小説を大量に買って、色褪せた表紙に郷愁を重ねながら楽読していました。論説本や政経本も古いものほど面白く、悪趣味ですが当時の評論家たちがいかに間違った予測をしていたか知ることもできます。
学生時代に受験のため、文学史や作品の内容を知るためだけに、字面だけ読み漁った明治大正の文豪たちの作品。作者の年齢に近づくと一文の中に新たな発見あります。そして突然それを読みたくなる時があって、そわそわしながら眠る日がありました。
しかし、今は「青空文庫」という便利なアプリがあります。著作権が外れた作品を無料で読むことができますので、急に文豪作品が読みたいという我儘な思いにも応えてくれます。今夜は坂口安吾かな。