設問形式によって入試の平均点に影響が出る

今年の高校入試の得点平均では、他の教科に比べ理科の平均点が大きく(8点ほど)下がっていたようです。
学力が落ちている!難問だった?という意見もありますが、今回はそうではない見方ができます。

問題をご覧になった方(特に理科を担当している関係者の方)は既にお気づきだと思いますが、「説明しなさい」「予想しなさい」「理由を答えなさい」など、記述式の問題が昨年より6問多く、合計配点が7点ありました。全国テストや達成度テストでの調査結果が示していますが、沖縄県の中学生は記述問題の正解率が低く、特に無答が多いというのが特徴ですので、これらが捨て問題にされた可能性があります。
さらに、2~3問セットの完答配点箇所も4問(全箇所11問)増加で、合計配点で7点ありました。1問正解を出せても無得点という配点形式ですので、得点を失いやすくなります。

加えて、理科の時間が足りなかったという意見を聞きました。これは、記述式やセット問題に時間を要したため、計算問題等の他の思考問題に時間が取れず、平生ならできる問題にも影響が出たことが予想できます。
記述問題を選択式に、完答を個別配点にしていれば、昨年同様またはそれ以上の平均点が出ていた可能性も否めません。
問題作成者は、内容ではなく、設問・配点方法によって結果に影響を与えることができます。平均得点だけでの判断で、学力が落ちているという短絡的な見方にならないよう気を付けたいものです。